2017年8月26日 09:57
カテゴリ:Mas雑感
東日本大震災の津波に対して、「想定外」だったという言葉がよく聞かれました。
いまだにそういうことを言う人がいます。
私は当初から「それはないだろう」と思ってました。
というのは、東北太平洋側はこの115年間に、少なくとも2回は巨大津波を経験しているからです(今回のを入れると3回)。
ひとつは1896年の明治三陸沖地震による津波です。
最大遡上(そじょう)高38.2m、2万1千人以上の方が亡くなられました。
二つ目は、1933年の昭和三陸沖地震による津波です。
最大遡上高28.7m、死者行方不明者計3千人以上。
今回の東日本大震災による津波は、最大遡上高40.1mで史上最大ではありますが、明治三陸沖地震とほぼ同じと考えていいと思います。
100年ちょいの間に2回も経験していたのに、それを想定していなかったというのは、どうしてなのかと思わざるを得ません。
今回を入れれば、巨大津波は115年間に3回です。
平均58年に一度のペースです(明治三陸と昭和三陸の間は37年)。
江戸時代に記録を加えればもっと正確な値が出せるはずです。
東日本大震災は、869年の貞観地震の再来で、これは千年に一度だとか、いやその間にもう一回あったから五百年に一度だとかいう人がいます。
地震としてはそうかもしれませんが、重要なのは津波です。
巨大津波の頻度はもっとずっと高いのです。
学者やメディア、地元の人たちは、どうして明治三陸沖地震と昭和三陸沖地震の津波のことを忘れてしまうんだろうか、といまだに不思議です。