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夏休みの思い出

2011年1月 8日 11:45

ニックネーム:

カテゴリ:ゲートウェイ・ヴォエッジ

ニックネーム : ZEN
夏休みの思い出   -小太郎に出会った夏-
                    GV小学校1年8組(18HR)13番 D.ZEN小僧

 僕の夏休みの一番の思い出は、コブチザワという所でお友達と合宿したことです。
コブチザワというところは変なところで、山の真ん中なのに海があります。そしてその海に行くといつでも夏なんです。
 授業の最初には必ずその海に行くんだけど、先生達はまず海でリラックスすることが大切だよと言いました。でも僕は初め困ってしまいました。だってすごい大きな音のする浪が来るんです。「先生、サーフィンやるみたいな浪でリラックスするの?」って思いながら目を開けてみると、やっぱりすごい大きな波が来ていました。チューブも出来ているんです。しばらく見ているとやっぱりサーフィンが出てきました。でも、乗っているのはお兄ちゃんじゃなくて茶色の犬です。サーフィンしながら遠吠えをしています。時々困ってるようだけど、かっこ悪くってもサーフィンが好きだからいいんだって思ってるみたいな感じでした。僕はその犬が好きになりました。
 その犬は、僕がティニーに服を換えて貰っている時に僕の近くに来て僕にじゃれついてきました。ティニーの紹介をしてなかったけど、ティニーはECBです。銀色でちっぽけなんだけど、ティニーは僕の周りの邪魔なものを自動的に吸い取ってくれます。ラッパみたいなのがついてて、そこから僕の服を吸い込み、胴体の引き出しから新しい服を出してくれます。コブチザワに来てからティニーは、いつも僕に白いランニングシャツに白い半ズボン、麦わら帽子とセミ取りの網を出してきました。そのティニーが僕と一緒について来たいから犬になったのかなと思って、僕は犬を一緒に連れて行くことにしました。青いバケツを持って歩いたおじさんもいたみたいだから、先生達も怒らないだろうと思ったんです。ティニーの分身だから小太郎って名前も付けました。
 小太郎はいつも遊びに行こうって誘います。僕がチューニングをしている時には一緒に遠吠えをしていますが、シャボン玉を作ったりお勉強の目標を言ったりしているときには待ち遠しくなっちゃうらしくて、早く行こうって吠えたりします。だから僕は、「うるさい、小太!」って叱ります。だいたい小太郎は、すぐベッドの上に乗っちゃうんです。だから僕は「小太はベッドに乗っちゃダメでしょ!」って言ったら、「クーン....」って言ってちょっと悲しそうな顔をして床に降りました。かわいそうだったけど、真面目にやらないと先生達に怒られちゃうかもしれないって思ったんです。今考えてみると、どんどん小太郎と一緒に遊びに行っちゃったらどうなったんだろう、試してみれば良かったかなと思います。
 小太郎と一緒に行って一番思い出に残っているのは、UFOに乗ったときのことです。ジユウニなってから、待ち遠しくてたまらない小太郎と一緒に部屋のドアをバァーンと開けて外に出ました。合宿所のホールのところで思いっきり手足を伸ばして飛び上がり、「ヤッホー!みんな元気~?行ってくるねー!」って言ってから食堂の外の所に駐まってる僕の魔法の絨毯に飛び乗りました。
 絨毯はスゥーッと飛び立ち、小太郎は遠吠えをします。目の前の八ヶ岳がとっても綺麗でした。八ヶ岳の方に向かってしばらく飛び、絨毯は右へ回りました。気がつくと目の前にUFOがたくさんいます。いくつも一緒に光っているので数が分かりません。中から「おいで。」と言っています。僕は「僕らは悪いUFOには乗らないんだよ。悪いUFOがいること知ってるんだから。」って言いました。小太郎も吠えました。そしたらその人達がみんな笑いました。しばらくするとハッチみたいなのが開いてノッペラボウの顔をして周りが光っている人が出てきました。その人が「大丈夫だからおいで。」って言ったので、僕らはUFOに乗りました。
 僕は、まだ大人だった頃に、きらきら光る大きな川のそばの芝生公園で初めてこのノッペラボウ人のお姉ちゃんに会いました。宇宙の人だと知らなかったので、「何だ、ノッペラボウかよ。」って言ってしまったんだけど、そのお姉ちゃんの反応が困ったみたいな感じだったので、なんか変だなあとは思いました。何回か後にカフェでそのお姉ちゃんが男の人と一緒にいたのを見つけたので、ビックリしたんです。「あの時はごめんなさい。僕、オバケだと思ったから。」って言ったら、男の人が笑って「気にしなくて良いよ。」って言ってくれました。でもノッペラボウのお姉ちゃんはとってもおとなしい人だったから、傷ついちゃったと思います。僕はまだその時大人だったし、子供が言うのとはちょっと違ったと思うんです。Mieちゃん先生は宇宙の人の言葉が話せるくらいだから、きっと僕が会ったのが宇宙の人だと分かっていたと思うけど、そのことは言いませんでした。この学校の先生達は、いつもニコニコしていて、子ども達が自分で気がつくのを待っている感じなんです。
 そんなことがあったから、僕はこのノッペラボウの人達を信用しました。乗ったらみんなが優しくしてくれて、僕らは安心しました。どこかの星へ行こうとしていたのだけれど、僕らと一緒にいてくれた人が「地球を見る?」って聞いてくれたので「うん!見たい!」って僕は答えました。
 窓から見た地球はとっても綺麗でした。何でそんな気持ちになるのか分かりませんでしたが、胸がキュンとなって切なくなってしまいました。しばらく見ていたら、地球をバックに2つの光の玉がじゃれ合うように飛んでくる画面が頭の中に見え、僕は「お友達と一緒に来たんだよ。」って言いました。何でそんなことを言ったのか分かりませんが、昔のことを思い出したような気がします。その後、僕は急に悲しくなって泣いてしまいました。涙が止めどなく流れ、窓の所でしゃがみ込んで泣いていたら、小太が僕の涙を何度も何度もなめてくれました。小太、ありがとね。
 部屋に戻ってきてからも泣いていたので、同じ部屋のT君は、そっと部屋から出て給食を食べに行ってくれました。まずいなあ、涙を流したのがバレバレだよと思って、洗面所で顔を洗いましたがほとんど無駄でした。じばらく部屋にいてから食堂に行くと、空いているテーブルは一つだけで、そのテーブルには誰も座っていませんでした。ラッキーって思って食べ始めてしばらくすると、大事な物を置いてっちゃったことのある方のSちゃんが同室の女の子と一緒に給食に来ました。実はそのテーブルのみんなの目が赤かったので助かりました。お互いの目が赤いことに触れようとする子は誰もいなかったもの。
 そう言えば大事な物を置いてかない方のS姉ちゃんは、僕が小太を連れているのを最初の方から知っていました。僕は教室では手を挙げなかったんだけど、海辺で犬と遊ぶと言っていた女の子の話を、僕と似てるなあって思っていました。僕はS姉ちゃんの所には行ったことがなかったので僕の事じゃないと思っていました。でも、S姉ちゃんと合宿所の入り口で話した時に姉ちゃんは小太のことを大きい犬だと言いました。僕は「小太は大きくないよ。姉ちゃんもちょっとは間違うことがあるんだなあ。」と思って同室のT君に話すと、T君は「ソフトバンクのお父さんくらいの大きさなら、そりゃ大きいでしょ。」って言いました。やっぱりS姉ちゃんには負けます。Mieちゃん先生みたいでスケールの大きさが違います。S姉ちゃんは、小太をもっともっと大きくするといいよって言いました。小太は、僕と一緒に大きくなってくれるつもりなのかもしれません。
 僕は小太のことをずっとECBのティニーの分身だと思っていたんだけど、合宿の終わりの日に、ひょっとしたら小太がGさんかもしれないことに気がつきました。実は時々、小太が随分痩せて毛が逆立っちゃってたりしてたこともあったんです。改めて考えてみると、僕のために何かをしてくれていたに違いありません。威張っちゃったことがチョーかっこ悪く思えて来ました。「小太は床に降りなきゃダメでしょ。」とか、「魔法の絨毯に乗るのは、僕が先でしょ。」とか、「小太、T君舐めとけ。」とか、とか、場面を思い浮かべると、僕は耳が赤くなっちゃう気がしました。
 合宿の終了式の時にお友達に話したら、みんな笑い転げていました。合宿の後、福井のA寺へ行ったときに、またノッペラボウの人たちと会いましたが、その時も知らぬ間に小太が来てくれていました。その時、僕は何だか恥ずかしくて小太にどんな風に声を掛けて良いのか分かりませんでした。何だかギクシャクした感じの二人でしたが、しばらくしてやっぱり威張りん坊の僕でいることにして「小太、いくぞ!」って言いました。そしたら、小太は「ワン!」って吠えて僕たちはいつもの僕たちになりました。
小太、いつもありがとね。僕はちょっと威張るけど、小太のことが大好きだからこれからもよろしくね。僕たち二人で一緒に大きくなりたいと思います。小太みたいなGさんに会えてホントに良かった。

コブチザワのことは一生忘れないと思います。

おわり 
コメント(3)
ZENさん
夏休みの作文(?)、楽しく拝見させていただきました。
ZENさんがシェアされた時のことを思い出し、可笑しさがこみあげてきました。
これからも、小太郎さんとのお付き合いを大切になさってください。
ありがとうございました。
ひで

2011年1月 8日 17:43

ZENさん
書き忘れていました。追伸です。
同じ原稿が2つあったようなので、古い方を非公開にしました。
よろしかったでしょうか?
ひで

2011年1月 8日 17:45

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ZEN

ひでさん、ありがとう。
UPされていないと思って余分なことしちゃいました。
ひでさん、なつかしいなあ。何だか遠い昔のことのようです。
また会える日を楽しみにしてますね! (^_^)v

2011年1月 9日 09:36

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