ヘミシンクで認知症が改善できる?そのキーワードはγ波(ガンマ波:40~100Hz)です。ご存じのように、ヘミシンクではバイノーラル・ビートを用いて、脳波をいろんな周波数に誘導していきます。その脳波のなかでもγ波(ガンマ波)には、非常に興味深い報告がなされています。例えば、ダリル・アンカがバシャールをチャネルしているときの脳波はγ波(ガンマ波)であると言われていますし、またDNAを調節できるのは、ソルフェジオ周波数ではなくてγ波(ガンマ波)であるとバシャールは述べています(『その名はバシャール』のP146)。
それでは、認知症と脳波にはどのような関連があるのでしょうか?脳内の老廃物の一種であるアミロイドβやタウと呼ばれているタンパク質が脳組織に異常に蓄積することが、アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)の原因として有力視されています。これらのタンパク質は決して、年寄りの脳だけに作られるわけではなく、若い脳でも作られています。ただ若い人が認知症になりにくいのは、脳の自浄作用のおかげとされています。脳の中では、脳脊髄液という液体が血液から作られ、1日に4〜5回入れ替わるペースで頭蓋骨の下をゆっくりと循環しています。2012年に米国のロチェスター大学で行われた研究によると、この脳脊髄液が脳組織の内部に浸透し、細胞と細胞の隙間にたまった老廃物を洗い流す仕組みがあるらしいことがわかりました。
その後の研究では、この脳の洗浄が深い睡眠中に生じること①が報告され、さらに、2016年米国のMITで行われた研究では、1秒間に40回点滅する光を見せることで、脳の老廃物の除去を促進し、アルツハイマー病モデルマウスにおいて認知機能の改善が見られることが示されました②。さらに、光だけでなく音の刺激やその組み合わせにも効果があることが報告されています。1秒間に40回という振動数は、ガンマ波と呼ばれる脳波で、動物が集中して何かを行ったりする認知機能に関わっているとされています。
また、アルツハイマー病の患者では、このガンマ波が少なくなっている傾向があり、これが認知機能の低下と関連があるのではないかと考えられています。
ヘミシンクのCDの中では『トランセンデンス』が脳波をガンマ波に誘導するとされており、またヘミシンクを聴くと熟睡してしまうという方も多いと思います。上記のデータからは、このいずれでも脳の老廃物が除去される可能性があります。
以上のことから、ガンマ波と睡眠に注目したセミナーができると面白いと思いますが、このセミナーが評判を呼ぶと、世界中から認知症の患者さんが集まり、セミナー会場が認知症の患者さんで埋め尽くされるという事態になるかもしれません。そうすると、『アクアヴィジョン・アカデミー』は今の形では存続できず、『デイサービス“アクアヴィジョン”』になってしまう・・・。大変だー!!
参考文献:
① Xie L. et al. Sleep drives metabolite clearance from the adult brain.Science 2014;342, 373-377.
② Iaccarino et al., Gamma frequency entrainment attenuates amyloid load and modifies microglia, Nature volume 540, 2016;pages230–235.